2018/10/12 (金)
先日、とあるお客様が、お祖母さまの形見分けのジュエリーを持ってこられました。
ネックレスやリング、これからジュエリーにする予定だった宝石には、ご愛用されていたであろうもの、特別な想いで作られたもの、記念日に贈られたものなど、それぞれに物語がひとつちゃんと与えられていました。どこで誰がどんなときに、という特定の瞬間があるのです。
拝見しながらお話を伺っていると、お祖母さまの生前のご様子や、若かりし頃にまでも想像がおよんで、連綿と続く温かさのようなものを感じます。
リングは、付けたい指、宝石とのバランスがよい指のサイズに直し、 今でもバッチリ通用するデザインや高級品は、磨いて新品仕上げにし、新しい持ち主に納まるように。 ヴィンテージ感を出した方がおしゃれなデザインは、あえて磨かずにクリーニングだけで。 豪華なネックレスは短いチョーカーにリフォームして、若さが魅力になるように。 少し先でもう一度見た方がピンときそうなものは、それまで眠っていてもらいましょう。
こうして、想いを馳せると同時に、これからそれらを身につけるわくわくを味わいます。
そして、ジュエリーは想いを帯びてそれを運び、身につける人に健康と幸せをもたらすのです。
リフォームのご依頼品をお持ちくださるお客様は、なかなかの宝石や貴金属にも関わらず、なぜかこういうビニール袋や、ジッパー付きのポリバッグに入れて、こともなげにいらっしゃいます。それに毎度笑わせてもらっています。