つららIcicle_Todos

2018/09/26 (水)

つくりについて

エネルギーが充満!"つらら(Icicle)"ピアスができるまで

サロンでは “新作(New Item)” とだけ書いてディスプレイしていたピアスに、ようやく名前がつきました。

その名は “つらら(Icicle)”。

形から想像できる名前ではありますが、完成にいたるまでの道のりもまた”つらら”のようでした。

ふだん、デザインを起こしたあとは、物理的なこと、安全性、耐久性における職人さんからのアドバイスを取り入れながらブラッシュアップし形にしますが、
この[ゴールドの丸玉を揺れないかたちで連ねたい]という非常にシンプルな願いは、なぜかどの職人さんも難色を示すというシロモノ。
理由を聞けば、丸玉どうしをロウ付けする熱で丸玉自体が崩れる、とか、たとえ治具を作ってもぶれなく垂直に溶接するのは至難の業、個体差が出る、とか、型取りで貼り合わせた場合でも少しでも液剤が空洞に残っていたら腐食が始まる、などなど、あらゆる観点からなるほどの答えをもらいました。どうやら前例がないようです。

とはいえ、そうなるとどうにかしたくなるという熱情も湧くもので、あれこれ考えあぐねているうちに、丸玉の国内メーカーが制作を引き受けてくれることになりました。
トライアルな案件においてメーカーが個人ブランドのために動くというのは、なかなかあり得ないことだと思います。しかも、試作という形で引き受けてくれて、希望の形に仕上がらなかったら試作費用はいただきません、という前代未聞な対応に、
「このピアス、とんでもないラッキーアイテムかもしれないっ!」
という意識がこの時点で生まれたのは言うまでもありません。

かくしてメーカーが試作に取り組み、経ること8ヵ月。完全に、そして完璧に仕上がりました。
その間何度となく、試作品を持ってサロンに足を運んでくれた代理店の方から伺うに、メーカーは「おかげで新しい技術が開発できたので、今後の商材になり嬉しいです」と仰っているとのこと(!)。

ちなみにこのメーカー、開発したピアスのシリコンキャッチが世界シェアとなり、小さな工場から数年で立派な自社ビルを建てられたのだそう。シリコンキャッチにはたくさんの種類がありますが、抜きん出たのは、小さなことにも興味が湧いたら前向きに取り組む、そんなスタンスからかと勝手な想像をしています。非常に、励みに学びになる思いでした。

つららができるときのように、目には見えないけれど少しずつ必ず形を成している。完成は見えなくても、なにかきっと満足するものが、自分らしい美しさでもって待っている。そう信じてただ楽しんで取り組む。
これはそのまま私たちの日々にも置き換えられることかもしれませんね。

想起するジュエリーを目指すTodosらしい名称に着地して、さらにエネルギーが充満したように思います。
手にとってご覧にいただけたら嬉しいです。



つらら Icicle
K18 Yellow Gold 全長5cm
K18 White Gold 全長4.5cm


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